リネージュ引退劇その一


おおおおおお……麗しきリネーーーーージュウウウウウ……。
さーて今日も狩りに往くぜたらんたんたんたらんたんたんたん〜〜〜〜♪
ん?なになに?ひろにょりさん一緒に狩りしましょう?ええ、いきましょうらんららん〜〜〜♪
ひろにょりさん、やっかいな問題がおこりました。どうすればいいでしょうだと?
それはねぇ、こうやってこうしておけば大丈夫だよ〜♪
よーし全チャでちょっとお祭り騒ぎだわしょ〜〜〜〜〜い♪



………そんな夢をみていた。それはこの世界ではない、もう一つの世界。
もう一人の自分。もう一つの人生。黄金のような夢、果てしなく可能性がある夢。
現実逃避。つまらない現実からの逃避世界。そこにある毎日は永遠の世界。

終わりにしよう。
この世界にさよならを。
私の物語に終焉を。




これが世界の選択である。


「いくか」
装備品を全てオーヴァーエンチャントで消滅させたひろにょり。
もはや彼にのこるものはなにもなかった。
”堅苦しい挨拶はヌキだ。俺はこの世界から去る”
この世界にいる仲間に別れの挨拶はしていなかった。
いい加減なヤツ。そう思われても仕方がないのだが、彼には彼なりの思惑があった。
「そうだよ。この世界を終わらせるんだ」
彼のHPにあるレポートがまとめられていた。そこには今回の発端となる原因が書かれていた。
これは後日UPされるそうだが、内容はとても深刻なものであった。



んじゃいくかの。
ハダカ同然の俺。引退劇をするには普通の引退劇で終わらせるのは嫌だ。
乱舞界らしくロマンティックに決めてみようと思う。
寂れたマイ倉庫の中から変身スクロール、ブレイブ&ヘイストポーションを持ち出す。
これで充分だ。
まず全チャで竜が存在しているか確認。どうやらリネージュ最強のアンタラスがドラゴンバレーケイブ最下層で暴れているらしい。
…わかるだろ?竜だよ。竜とタイマンするんだよ俺は(笑)

そしてドラゴンバレーケイブ入り口。
俺はドーベルマンに変身する。
ヘイスト・ブレイブをかけてマッハドーベルマンと化す。
俺の尻尾は激しく回転している。
これほどスリルのある引退劇ができるやつなんて俺しかいねぇ。
俺は伝説だ。この興奮がアナドレリンとベーターエンドルフィンを垂れ流し。
もう俺を誰も止める事ができない。

雑魚には目もくれず俺はとにかく最下層目指してマッハ疾走。
途中で冒険者達に笑われるがさすがドーベルマン。
あちらこちらからの視線が、注目されるのがたまらねぇ。
恐いものなんてなにもないぜ?
スーパーサッキュンのセクシーアッハーン攻撃すら軽くかわす。
まさにニュータイプドーベルマン。
俺は走り続ける。

とうとう最下層の階段を見つける。
ふっ……俺様万歳。

ロマンティックな侍魂ッ
地獄の如きアンタラスの生息地。
「我が死地にふさわしいよのう!!!」
そこに大日本帝国軍人スピリッツがあった。
侍・ひろにょりだ。


しばらくその辺を歩いてみる。
おかしい。スライムばかりでアンタラスの気配がしない。
もしや竜がいるというのはガセだったのか?
次第にテンションがひくくなってきた。
「面白くねーぞチクショオオオオオッ!!」
誰もいない最下層に俺の叫びがこだまする。

と、その時。
地震か?
ゴゴゴゴと音がした。
ズー―ンズ―ン。
間違いない。
ヤツだ。
ヤツがきたんだ。
俺は何も臆することなく冷静だった。
俺の目の前に現れた竜。
親近感すら覚える俺。
なんというか。
ともだちんこだ………ッ!

ロマンティックな挨拶ッ

グルルルルルルグォォォォ……!
よくぞここまできた我が親愛なる同志ひろにょりよ。
俺にはそう聞こえた。
もう心と心が通じ合う、こんな幸せな事はない。
俺は親愛なるアンタラス同志に告白する。

ロマンティックな引退宣言ッ
グルルルルゥグォオァアアアアアアア……!
まじか!我が親愛なるひろにょり同志よ、考え直してくれ!
俺にはそう聞こえた。困るじゃねーか……。お前にそう言われるとよぉ…。
でもな。俺はこの世界を終わらせにきたんだ。
俺は親愛なるアンタラス同志に自分の覚悟を告げる。

ロマンティックな挑戦ッ

グルルルルォァアァァアゴオオオ!
我が親愛なるひろにょり同志の覚悟、武士道ここにありとしかと承った!
俺にはそうきこえた。ありがとうよ、アンタラス同志!俺の目から流れる一つの輝く雫の結晶。
俺の全てはここに終結する。いくぜひろにょり!
ヘイスト、ブレイブでマッハドーベルマン。
俺はお前の尻尾を一撃でもいいから噛んでやるぜ…!
「イクゾオルァアアアアアアアッ!!!!!!!!!!」

ロマンティックな瞬殺ッ

何時の間にか踏まれていた。何が起こったのか理解できない。
グルルルウルォアアアアア……
私はいつでも親愛なるひろにょり同志の帰りを待っているぞ。
俺にはそう聞こえた。ありがとう、親愛なるアンタラス同志……。

ロマンティックな世界の終ッ

さらば!
そして、
ありがとう!




第二部へ続く。また今度更新。